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禁書SS「首輪と指輪」

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970 :Y:2011/12/02(金)15:26:06 ID:5.cFHHAo
某所で首輪ネタでちょっと盛り上がってしまい、つい妄想したら、こんな感じのが出来ちゃいました。

待ち合わせ場所で、ミコっちゃんが誰かさんと楽しそうにしていた光景に、思わず嫉妬した上条さん。
部屋へ帰ったらいきなり……。
そんな二人のある日の物語をどうぞ。

971 :「首輪と指輪」:2011/12/02(金)15:26:54 ID:5.cFHHAo

ある晴れた休日の午後。
いつもの公園に向けて、上条は走っていた。息を切らせて、はあはあぜいぜいと。
予定の時間はとっくに過ぎていて、待ちわびる人の顔が、表情が目に浮かぶ。
おそらくはこの先に待ち受ける「不幸」、いや「お仕置き」はいつものアレか、それともコレかと思いながら足を動かし続けた。
やがて花壇の向こうに見えた、肩の上で揃えたシャンパンゴールドの髪に、可愛らしい服装、そして……

「ああ、すま……ん、みこ……と……?」

視線の先の彼女、御坂美琴の隣に見知らぬ男性がいて、にこやかに話している様子が上条の目に飛び込んできた。
やや長めの髪をくすんだ金色に染めた長身の少年。いかにも高そうなブランド物に身を包んだその容姿は、爽やかイケメンのようにも、軽薄なホスト崩れのようにも見える。
そんな二人に声を掛けようかと思い、上条は近付こうとした。が、その少年に向ける、美琴の屈託の無い笑顔を目にした瞬間、彼の足が止まった。
なんとなく憚られるような気がした。二人の間に割り込めないような雰囲気を感じてしまった。
美琴が、自分とは違う世界にいるように感じられて、上条の心に黒い闇のような感情が広がっていく。
その眺めと、自分の中から溢れ出た黒い感情が面白くなくて、ついイライラが全身を包んでいく。
曲げたくない気持ちが曲がってしまい、今日はもう帰ってしまうかと踵を返そうとしたその瞬間、

「あ、やっと来たあ! 当麻ーーっ! こっちこっち!」

自分の名を呼びながら、嬉しそうに手を振っている彼女の姿を見て、気持ちがほっと落ち着くかのように思われた。
が、それもつかの間、少年が――じゃあな、と言って手を上げたその方へ、美琴が顔を向けて手を振っている。
恋人の自分より、そのイケメンに向けた笑顔も言葉も、気に入らなかった。

「垣根さん。またね!」

それからやっと、――当麻、お待たせ。と言って美琴は上条に抱きついてきた。
が、約束の時間に遅れたことを問い詰められることが無かったことも、上条には気に入らなかった。 続きを読む [IMAGE]