- 公開日 :
- 2011年11月16日 21時00分
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/11/15(火) 23:36:07.27 ID:+EoW8WNx0
目の前にあるのは、台所に立つお姉ちゃんの姿。黙って突っ立っている私に首をかしげるしぐさ。
「なんかぼーっとしてるね? 顔洗ってくるといいよ」
「……ああ、うん。そーしてみる」
言われるままにのろのろと洗面所へ。鏡に映る私の顔のまわりには、クエスチョンマークがどれだけ浮かんでいたことだろう。
顔を洗う。さっぱりしたのかどうなのか、効果はあまりない。心のもやもやを振り払うように、ぶんぶんと頭をふった。
戻って食卓をみると朝食の準備が整っている。この光景に現実味が感じられないまま椅子に腰をおろした。
メニュー自体はトーストやサラダといった簡単なものなので、美味しいとか不味いとか言及するものではない。
だから料理に慣れていないお姉ちゃんがこれを用意すること自体は、なにも問題はないのだけれど。
……なにも、問題はないはずなんだけれど。
「ねえ、お姉ちゃん」
食卓からキッチンへ呼びかける。朝食の準備はもう終わっているのに、作業の音は未だに続いているのはどういうことなのか。
「なーにー?」
「もしかしてお昼のお弁当も作ってる?」
「そーだよー」
そこから先の朝の記憶はない。