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禁書SS「あの、言葉 をもう一度 -Christmas Night- (後編)」

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「あの、言葉 をもう一度 -Christmas Night- (前編)」続き

611 :■■■■:2010/12/19(日) 20:52:35 ID:hV9dRznM

――12月24日、21:15。

「うー、寒い……ラーメンってのは大正解だったなー」
上条当麻はひとりごちて、首元のマフラーに口を埋める。

(しっかし、なんだあのヤロー共は)
ケーキ屋の通用口のあたりに、男共がたむろっていた。
一人か、二人組がバラバラと散らばっている感じだ。10人程いる。

(彼女が出てくるの待ってんのかね? ……あれ、俺も傍から見れば彼女待ちみたいに見えたり……?)
さっき御坂美琴に電話をしたら、もうじき出られるような事を言っていた。
そろそろ出てきそうなものだ。
(しかし、なんか態度おかしかったような……初アルバイトで何かやらかしたか?)
一人であわあわ早口で喋ったかと思うと、そこを動かないですぐ行くから、と電話は唐突に切れた。
ま、色々あったのだろう、ラーメン食いながら愚痴でも何でも聞いてやって、それで……と考えていると、通用口のドアが開いた。

コートとマフラーを着用した美琴が現れた。
キョロキョロしながらドアを後ろ手に閉め、……とその時。
男共がわっと美琴の周りに群がった!

(な、何だー!?)
上条が状況を把握できずに固まっていると、美琴がこちらの姿を見つけたのか、かき分けて走ってくる。
「うっ!?」
美琴が、上条の腕にしがみついてきた!
「行こ! 早く連れてって!」
「へ? へ?」
「早く!」
訳がわからないまま、男共の強烈な視線を浴びつつ、上条当麻は御坂美琴を腕に絡めたまま、回れ右をした。

早足でスタスタと歩いていた二人だったが、ひとまず後をつけている者がいなさそうだと分かると、足をようやく止めた。
「な、何なんだ一体……?」
「び、びっくりしたわね。なんかね、この後ご一緒にどうですかみたいな事を、口々に言われちゃった」
「……ナンパかよ。お前の正体分かってんのかね」
あの集団の意味を理解した上条であった。
「化物みたいに云うなっての! ま、まあ、イブにデートもせずバイトしてるのはフリーの証、って思うらしいわ……」
「……モテますね御坂さん。俺帰ろっか?」
「やめてよ馬鹿! ったく!」
美琴は一層強く、上条の腕にしがみついた。

「……で、なんでお前はしがみついてんだ?」
「フリよフリ。こ、恋人がいると思えば諦めるでしょ。これで行きましょ」
上条は改めて首だけで振り向く。
「うーん、もういねえと思うけどなあ……」
「そんな見えるトコから見てるもんですか。物陰に居られちゃ分かんないわよ。いいからこれで行こ」
上条は軽くため息をつくと、美琴を腕に絡めたまま、繁華街の方に向かって歩みだした。 続きを読む [IMAGE]