- 公開日 :
- 2011年12月31日 18時00分
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- とある魔術の禁書目録
923 :いちゃいちゃ年末年始!:2010/07/05(月) 02:39:28 ID:BerJ1thU
「あ、美琴ちゃーん! 当麻くーん! こっちこっちー!」
御坂美鈴はそう言うと元気に手を振り自分の現在位置をアピールしていた。
12月29日。上条当麻と御坂美琴は神奈川にある実家の最寄り駅まで移動しており、結構早めに学園都市を出てきたのだが、ここについたのは昼を過ぎたところだった。
『まもなく3番線に、普通――――』
『ドアが閉まります。ご注意――――』
『駆け込み乗車はお止め下さい―――』
『まもなく2番線に、快速――――』
朝実家に向かう電車の中で美琴が美鈴から迎えに行くよメールが届いて駅のホームまで来てくれたらしい。
電車到着を告げるメロディーと一緒に駅員の声がホームに響いており、今から遊びに行くのか人で結構な混雑をみせるホームは上条と美琴の姿を隠していたが、駅員に注意されながらも備え付けの椅子の上に乗って探してた美鈴が上条のツンツン頭を探し当てたというわけだ。
神奈川には雪は降ってなかったが、ホームに降りる前にチラッと見た電車内の天気予報では気温は最高で11℃となかなかの寒さで、コートやマフラーや手袋をしてる人がほとんどだ。
もちろん上条もクリスマスの時に美琴に貰った緑のマフラーで鼻まで隠すとガクガクと震えているのだが、自分の胸元にばっちり「とうま」「みこと」とあるバカップルマフラーに上条はここにつくまでとても恥ずかしい思いをしていた。ちなみに美琴は全然平気だった。むしろそのマフラーを見られては『「とうま」と「みこと」はこんなにもいちゃいちゃなんですよ』という感じに心底ご満悦のようだ。
ところで、帰省と言っても別に何するわけでもなく、ただ実家に帰るだけなので上条の荷物は着替えと財布、携帯くらいなもんだが、そんな上条の小さなバッグに対し、美琴のバッグはどこかに旅行に行くのかと思うほど大きな物だった。
美琴曰く「女の子には色々必要なの!」という事らしい。今日は公園で待ち合わせして駅に向かったのだが、その時美琴が重そうに持っていたので上条が今まで持ってあげたが何が入ってるんだと思うほどの重さだった。着替えだけじゃここまで重くならないし…、うーん。
「美鈴さん、すみません。お待たせしましたー…と、母さん。久しぶり」
「当麻さん。こんにちは。…あらあら、そのマフラー。うふふ」
「え? あー…、これは―――」
「ふんふん。美琴ちゃん、なかなかよく出来てるじゃない。何回やり直したの?」
「べっ、別にいいでしょそんな事! …あ、詩菜さん。こんにちは。お久しぶりです」
「こんにちは、美琴さん」
美鈴の隣には詩菜が座っており、会った瞬間にマフラーの事でからかわれた。…当然だけど。
ちなみに指輪の件も壮大にからかわれそうだが、二人は手袋をしていたので気付かれなかった。…今のところは。
ところで上条に関しては完璧主義の美琴にとってはプレゼントも完璧でなければ気が済まなかったらしく、ちょっとでもマフラーに綻びが出たり見た目が悪くなろうものならまた一からやり直しては編みこんでいたのだ。とても気が遠くなりそうだったが、美琴はこれをプレゼントし巻いてくれる上条を想像するだけで嬉しくなり全然苦ではなくふにゃふにゃしながら編んでいたらしい(白井談)。
「あら? 当麻さん、その顔の絆創膏は?」
「え? あー、まぁ、うん。ちょっとね」
「?」
その美琴の愛がこもっているマフラーで隠れてはいたが、上条の右頬には絆創膏が貼られていた。もちろん怪我をして貼っているのだが原因は白井黒子。
マフラーの件で怒りのボルテージが最高潮まで上がっている白井にとって追い討ちをかけるが如く指輪の一件で、またも夜なべでやすりをかけていた鉄矢で勝負を挑んできた。
流石レベル4の白井は学習し、上条の隣に美琴がいない時を狙ったが学校が休みな事もあり、指輪の事もあった美琴は起きるや否や大急ぎで上条の元へ向かって現場に鉢合わせたというわけだ。
美琴は愛しのダーリンが負傷(かすり傷)してる姿を見た瞬間にレベル5の雷神になり白井(と上条)に恐怖を与えた。白井は一瞬にして上条から離れ地面に顔ドラムして謝ると、上条もつられて謝った。…何故だ。理由は怖かったから。
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