- 公開日 :
- 2012年01月20日 12時00分
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/03/29(火) 23:37:32.69 ID:NKSPXicb0
くるくると部屋の鍵を指先で遊びながら、ゆっくりと足に力を入れる
立ち上がろう。そう思ったが、ふと眩暈のようなものを覚えた
本当にくるくると回っていたのは、鍵なんかではなく、自分の意識のほうだった
「着信は……どうせ唯だろうな」
ゆらっと体を揺らしながらポケットから取り出した携帯を見ると、それは3件入っていた
時刻を目で辿る
9時……10時30分……10時32分
ははっ、なんて分かりやすいやつだ
自然と笑みがこぼれる
かけてきた用件はこの時間帯ならば、どうせ授業のことだろう
たしかこの時間は唯と一緒の講義だったはずだ。
携帯を操作して、通話ボタンを軽く叩いた
そっと耳にあて彼女がでるのを待つ
『もしもし、りっちゃん!!』
たった一回のコールで唯が電話に出た
こころなしか少し慌てた様子だ
声のトーンも不自然に上がっている