- 公開日 :
- 2012年01月25日 18時00分
- タグ :
- とある魔術の禁書目録
2 :◆gyTX4FmAss:2011/04/19(火) 16:04:39.14 ID:mDcPNMWN0
「……、」
土御門元春は窓のないビルにいた。
ドアも窓も廊下も階段もない、建物として機能しないビル。
大能力者の一つである空間移動を使わない限りは
出入りもできない密室の中心に、巨大なガラスの円筒器は鎮座していた。
直径4メートル、全長10メートルを越す強化ガラスの円筒の中には
赤い液体が満たされている。広大な部屋の四方の壁は全て機械類で埋め尽くされ、
そこから伸びる数十万ものコードやキューブが床を這い、中央の円筒に接続されていた。
窓のないその部屋はいつも闇に包まれていた。
ただし、円筒を遠巻きに取り囲む機械類のランプやモニタの光が、
まるで夜空の星々のように瞬いている。
赤い液体に満たされた円筒の中には、緑色の手術服を着た人間が逆さで浮かんでいた。
学園都市統括理事長、『人間』アレイスター。
それは男にも女にも見え、大人にも子供にも見え、聖人にも囚人にも見える。 続きを読む [IMAGE]