- 公開日 :
- 2012年02月29日 17時55分
1 : 以下、名無しにかわりまし... - 2012/02/26 18:10:53 xWxN8pHX0 1/167
ある病室のベッドに、一人の少女が眠っていた。
正確には眠っているわけじゃない。
意識はちゃんとあって、色々なことを考えていた。
でも彼女は頭に大きな怪我を負っていて、動くことも感じることも、殆ど出来なかったんだ。
目も、耳も聞こえず……真っ暗闇の中。 風が体を撫でる感覚と、その匂い。
彼女を死体だと勘違いしたハエが体を這う感触。 一日一回、看護師が体の位置を直していく感覚。
その手を握る者ももう居ない彼女にとっては、それが世界のすべてだった。
彼女は途方も無い、退屈な時間の中で……ただ夢を見ていた。
共に戦う仲間、生きる目的、大切な家族。 そのすべてがある世界を……
……つまり幸せな日常を、彼女は夢想していた。
闇の中、一人孤独に……ずーっと。
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元スレ
QB「少しくらい、本当の奇跡が起こってもいいじゃないか」
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