- 公開日 :
- 2011年10月25日 18時00分
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- とある魔術の禁書目録
切れた糸を繋いで続き
922 :『切れた糸を繋いで』 番外編:2011/08/09(火) 21:52:35 ID:KfKhLK7Q
待ち望んでいた彼女との初デートの日だというのに、上条当麻の表情は冴えなかった。
彼は今、デートの待ち合わせ場所に向かっている。
待ち合わせの時間は14時であり、現在は10時、明らかに早すぎるのだがこれにはわけがあった。
一つは、彼が自分が「不幸」だということをよく知っていること。
急いでいるときに限って、不良に襲われている女の子を発見してしまったり、
野良犬の尻尾を踏んでしまって追いかけられたりする。
そのため数時間の余裕を持って出発しても全く安心できない。
「はあ……予想していたこととはいえ、今日ばっかりはさすがにこたえるな……」
そしていつも通りの不幸な出来事をにより、すでに1時間も無駄に費やしている。
これ以上何も起きませんように。そう願っている彼の目の前で、女の子が不良に絡まれていた。
その後、もろもろの出来事によりたっぷりと1時間かけ、上条は待ち合わせ場所にたどり着いた。
そして、時間を確認して、待ち合わせに遅れなかったことに安堵する。
「なんだよ、まだ3時間もあるじゃねーか」
さすがに早すぎたかと思い、どこか別に場所で時間をつぶそうかと一瞬考える。
しかし、そのまま日ごろの経験から予測すると、そのまま帰ってこれなくなる可能性が高い。
やはりこの場所で待っているのが最善だろう。
「まあ、たまにはじっと待つってのも悪くないか……」
あと3時間で、彼女と会うことができる。そう思うだけで上条の心は不思議なほどに晴れやかになっていった。
「早く御坂こねーかなー」
ベンチに腰掛けながら、上条はこれからのことを想像していた。
出発時間が早すぎた最大の理由。彼は、デートが楽しみのあまり、いてもたってもいられなくなっていたのだ。 続きを読む [IMAGE]