- 公開日 :
- 2022年09月09日 23時00分
1: 名無しで叶える物語(らっかせい) 2022/09/09(金) 22:00:23.63 ID:OEf6jJCm
「栞子さん、飴いる?」
「いただきます」
「はい」
「ありがとうございま……」
「どうしたの?」
「……あ、あの」
「んー? はい、どうぞ」
しずくさんは口先に飴玉を咥えて顔を寄せてきた。
「その、飴は?」
「ここにあるでしょ?」
自分の唇にある飴に人差し指を当てる。
分かっている、これは私を挑発しているのだと。だってしずくさんの目が私をからかう時の目をしているのだから。ここで私が動揺すれば、この人は喜ぶだろう。
でも、乗るわけにはいかない。そんなことをしたらしずくさんの思う壺だ。私は心を落ち着けて言った。
「…それでは、いただきます」
「うん」