- 公開日 :
- 2023年07月29日 23時00分
4: 名無しで叶える物語(ささかまぼこ) 2023/07/29(土) 21:11:32.89 ID:Gs3xuGWa
ざあざあと流れる川は、空の暗雲さえも呑み込んでしまうほど深く見える。私たちは砂利の混じる河原に腰を降ろしていた。
ゆらゆらと揺れる、いつ誰が点火したか分からない焚火を見つめながら、そんな一言を呟いた。
璃奈「怖い話?」
しずく「うん。だって、こんなに暑いんだもん。ちょっとは涼しい気持ちになりたくない?」
私はそう言いながらパタパタと手で自らを仰ぐ。七月も下旬。日が落ち切っても尚、蒸し暑さは変わらなかった。いや、季節だとか太陽の高さだとか、そんなのは一切関係ないのかもしれないが。
かすみ「しず子ってさ、意外と暑がりだよね」
しずく「そうかな。かすみさんは暑くないの?」
かすみ「私は……」
そう言いながら、かすみさんは他の二人に視線を送る。二人共顔を横に振っていた。
かすみ「まあ、暑がってるのはしず子だけだよ。でも怖い話には賛成。だって、暇だもんね」