- 公開日 :
- 2023年08月27日 18時00分
1: 名無しで叶える物語(ささかまぼこ) 2023/08/27(日) 16:17:29.18 ID:VFmpIFrR
梢「私、乙宗梢は花帆さんから一定の、いえ、一定以上の信頼を得ていると自負しているわ」
梢「廊下を歩けば、『梢センパ~イ!』と呼び止められる。特に用事が無くても、存在するというだけで声を掛けてしまう存在」
梢「私もつい、そんな花帆さんに胸が高鳴ってしまうの。たった数か月の関係だけれど、過ごした時間以上の関係が構築できているわ」
梢「けれどね、数か月という短い時間で花帆さんの全てを知ったと言えるほど、私もそこまで傲慢ではないの」
梢「つまり、私は知ってしまったのよ。花帆さんの未知なる一面を」
梢「未熟な敵意を隠せず、若干棘のある言葉で相手を威嚇する花帆さん……。平たく言ってしまえば、『ツンの花帆さん』」
梢「私、あれを見てね……その、なんて言うのかしら。お腹の少し奥の部分が熱くなってしまってね」
梢「衝撃というには余りに甘美で、頬を輪郭に沿って優しく撫でられているような感覚になったの」
梢「ごめんなさい。前置きが長くなってしまったわね。畢竟、私の言いたいことはただ一つ」
梢「『ツンの花帆さん』を私も体験したい。ただそれだけなのよ」
慈「……」
梢「あの、慈? 聞いている? それとも、話が少し玄妙に富み過ぎたかしら」
梢「ごめんなさい。先ほどの話は所々飛躍していたかもしれないわね。だからもう一度イチから、いえ、ゼロから語ろうと──」
慈「ああっ、もうっ! 違うっ!」ダンッ